2017年11月18日土曜日

靴アッパーの修理

こんにちは。
今回は靴の修理についてお話しします。

靴、特に革靴は、製法にもよりますが、靴底を交換したり、減った部分を補修することで末長く履き続けることができます。
しかし、靴底はある程度壊れても修理できますが、靴のアッパー(甲革ともいいます。底より上の部分全体を指します)にトラブルがあった場合、修繕が不可能であることも多いのです。

修繕不可の代表格は、亀裂です。




例えばこんな感じの壊れ方です。
歩行による負担の大きい屈曲部のシワは、乾燥したままお手入れしないでいると、やがて亀裂に変わってしまう宿命です。
写真の革のように、表面がピカピカに仕上げられていて、お手入れの養分が入りにくい革も注意が必要です。

この件に限っては、直せません、と言いつつ……



このようになりました。
厳密には直っていないのですが、ご依頼主の強いご希望により、とりあえず履ける状態にしたものです。
元どおりにすることはできないので、なるべく違和感のない革を貼り付ける方法を選びました。やっていることは工作みたいなものなのですが、それなりの見栄えを考えると、これが意外と難しいのです。

少し長くなりそうなので、続きはまた次回!
なんとなくお楽しみに!
(石川)

2017年11月11日土曜日

オーダー革製品……?

こんにちは。
ご注文いただいた品物を作っているところなのですが……、一体なんでしょう?






型紙が長いのでボール紙を使っています。



十数メートル分の素材を、大雑把に裁断したあと、それをまた小さく本裁断して、縫製して……


むむむ、これは……

椅子カバーの完成!

撮影用に工房の椅子にかぶせてみましたが、実際はご自宅の椅子の保管用に使用されるとのことです。6脚分製作しました。
素材は一見布みたいに見える革……、だったらすごいテクノロジーなのですが、そうではなく、布です。ブロードという、シーツやワイシャツに使われる布を使用しました。

革製品のお店と思いきや、ご希望に応じていろいろ作っております。
(石川)

2017年11月3日金曜日

【市川店】11月の営業日案内

こんにちは。
11月4日より、二天一流総本舗「松坂屋上野店」のオープンに伴いまして、市川店の営業日が変則的になっておりますので、ご案内いたします。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。

<開店日>
5(日)
6(月)

9(木)
10(金)

12(日)

16(木)
17(金)14:00で閉店します
18(土)
19(日)
20(月)14:00で閉店します

23(木)
24(金)14:00で閉店します
25(土)
26(日)

2017年10月28日土曜日

かごをアレンジ2

かごをアレンジの、よりフォトジェニックな姿をご覧にいれましょう。
若い奥様から、冬に向けて、かごのバスケットを毛皮でアレンジしたいとのご依頼を頂きました。

















今回は、お客様お持ち込みの毛皮を使用しました。
顔部分が残っているのが生々しいですが、気持ち悪がっていては失われた命に失礼です。素敵な品物に生まれ変わって頂いて、手向けといたしましょう。


















適当な大きさに裁断し、黒の裏地を縫製していきます。
毛皮は毛足があるので、それを生かそうとすると寸法通りに作るのはなかなか難しいです。今回は裏地を袋状に縫製して、ひっくり返す方法を選びました。
















ひっくり返して、内側に閉じ込められた毛をほじって外に出していきます。

















かごの持ち手部分に接続するためのベルトと、革ひもを装着。
裏地の中にちょっとしたものを入れてもいいように、縫製で完全にふさがずにボタンでポケットにしてみました。

















完成!
涼しげなバスケットが、なかなかおしゃれな冬用バッグに変身しました。毛皮は簡単に取り外せるので、一年中お使い頂けるものです。

持ち手部分の革は、先に手縫いで縫いつけておいたものです。
















反対側。ベルトは先端を切り込み、クロスさせて止めることでリボンのような可愛らしさを出してみました。

開けるとこんな感じです

















私は納品に立ち会えなかったのですが、とても喜んで頂いたようです。
インスタグラムとかにアップして頂いたりしてるのでしょうか。それはそれで嬉しいですが。
(石川)

2017年10月14日土曜日

かごをアレンジ

こんにちは。

作ったり修理したりリメイクしたりと、色々やっている我ら二天一流総本舗ですが、お持ちの品物にちょっとしたアレンジを加えることも承っています。

例えば、よくご注文を頂くものではこちら。
















トウやタケやシラカバなど、植物で編んだかごの入れ物は、持ち手がささくれたりしますね。そんな持ち手には、革を縫い付けてしまいましょう。
















以前クラシックカーのハンドルカバーなどをやりましたが、それと要領は同じです。一目一目穴を穿って、手縫いで縫っていきます。
















ご希望の通りに仕上がりました。
お客様は黒がお好きだとのことでしたが、ベージュのステッチが本体の色と合わせてあって、可愛らしいアクセントになりました。

かばんやくつだけでなく、インテリアやエクステリア、例えばドアノブに革を縫い付けた例もあります。冬の鉄門扉が冷たい……というようなお悩みも、オシャレに解決できるかもしれませんね。できるかどうかは応相談ですが、お気軽にどうぞ!

(石川)

2017年10月7日土曜日

コードバンの輝き

こんにちは。

革にも色々な種類がありますが、高級革の代名詞とも言えるものに「コードバン」があります。
コードバンは馬革です。馬革の大部分は牛革に比べて繊維がゆるくて柔らかいのですが、馬のお尻の部分に繊維が非常に密になっている場所があり、硬質に美しく輝く革「コードバン」になります。
馬であればなんでもいいわけではなく、限られた欧州の農耕馬(代用馬もあるようですが)からのみ取れるということで、希少性もあり、また「革の宝石」とも言われる美しさから、通常流通している牛革などと比べてかなり高値で取引されています。




こちらはコードバンでご注文を頂いた、とある小物の製作途中のものです。

革の存在感が全然違うので、ついうっとり眺めてしまいます。
なかなか扱う機会がないもので、裁断からミシンがけまでいつも以上に緊張しましたが、運もよかったのか、かなり精度の高いステッチを入れることができました。

今は、納品棚でお客様が迎えに来るのを待っているところです。
私もお渡しできる日が楽しみです。

(石川)

2017年9月30日土曜日

かばんの染め直し(手染め)

革は、生のままの状態(皮)から、なめしを経て仕上げに至る(革になります)製造工程で、何度も着色をしています。その方法も、染料で芯から染色したり、表面にスプレーして好みの色に仕上げたりと色々です。
その革が、かばんや靴になって、使用されて月日を経るうちに、摩耗して表面の色が落ちてしまうことがあります。


















使用されている材料にもよりますが、この落ちた色を補色し、染め直すことも可能です。
今回は、皮革用染料による手染めで染め直しをしたお話です。


◆材料の吟味、試し

お預かりしたかばんを、染められそうな素材かどうか、実際に染料で染めてみてチェックします。
染料は、皮革メーカーで製造時に使用されたものは手に入りませんので、染料を絵の具のように調色して、もともとの色にできるだけ近くなるようにがんばります。
青系なのにごく少量だけ赤を入れてみるとか、赤じゃなくてエンジにしてみるとか、複数の色の配合を工夫するのは案外楽しい仕事です。
実際作った色が、素材にのって、乾燥するとまた色が変化してしまったりするので、実に微妙な仕事でもあります。

完成度が低くなりそうな時は、この時点でお客様にお返しし、別のお手入アドバイスや、他の方法などをご案内しています。


















◆染色本番

写真のかばんは、色も素材も大丈夫そうなので、勇気を出して染色を進めました。
染色に使用する道具は、スポンジや刷毛でもいいですが、水分を含みすぎてムラになることもあるので、最近はいらない布に含ませて薄塗りを繰り返す方法も使います。


右の持ち手は染色後です






















◆仕上がり

染色が無事に終わったら、最後に仕上げを行います。主に色落ち防止を目的に、今回は仕上げ剤で全体をコーティングしました。



















◆雑感

染め直しの手染めパターンをご紹介しました。
経験上、染料による手染めの完成度、成功率は、素材に左右されるところが大きいですが、理想に近い色に染められるとうれしいのです。

ご相談は、お気軽にどうぞ。

(石川)